アートラインかしわ2013

10月12日(土)~11月4日(月・祝)

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展示

公益財団法人摘水軒記念文化振興財団助成事業
生成のヴィジュアル –触発のつらなり

淺井裕介、大山エンリコイサム、村山悟郎

心や造形、都市あるいは社会といった人の営みは、どのように生まれるのだろうか。あらかじめ設計図が用意され、ほかからカタチを与えられるのだろうか。そうではなく、みずからの自律した構造やプロセスによって情報やパターンを生成する自己組織的な特性を持っていると考えてみたらどうだろう。たとえば、SNSなどでコミュニケーションのネットワークが自然と形成されるさまを思い浮かべてみてほしい。あるいは、ストリートアートが都市の風景を刷新していく過程でもよい。人のあらゆる活動には、そうした自己組織的な生成を見いだすことができるだろう。
ペインターもまた、みずからが生みだす色・形あるいは感触などに刺激されながら、新たな要素を産出してゆく自己触発のつらなりのなかにみずからを巻き込ませて作品世界を出現させている。とくに本展に参加する淺井裕介、大山エンリコイサム、村山悟郎は、そうした生成のプロセスを制作に積極的に導入しながらヴィジュアルを立ち上げている作家たちだ。本展では、こうした生成の絵画表現に注目したい。

淺井、大山、村山はそれぞれ異なるバックグラウンドを持っている。しかし三者を特徴づける共通項として、”描く”という行為やストローク、そしてモチーフによって単位をつくりだし、不連続に次から次へと反復して、絶えずその単位を生みだしてゆくパターンの増殖性を見て取ることもできる。とりわけ、そのなかで持続する「時間性」の諸相を顧みれば、三者の取り組みを単なるヴィジュアルアートの域に留まらない、より根源的な造形運動の発露として捉える必要があるだろう。これを「生成のヴィジュアル」と呼んでみたい。淺井から溢れ出るイメージ群や枝状に分岐するドローイング。大山が「クイックターン・ストラクチャー」と呼ぶ、グラフィティの視覚言語から抽出したパターンとその変奏。そして、村山の織りあげたカンバスと束なるストロークの相互作用による有機的な絵画。これらはみな、支持体を選ばずに固有の造形表現として実現している。それは自身への絶え間ない触発、形態の連鎖的産出によって「ペインターの自然」と呼べるようなヴィジュアル・ランゲージを生成する運動なのだ。

会期

10月19日(土)〜12月1日(日)
11:00〜18:00(月〜水 休館)

オープニングパーティ 初日
           18:00〜20:00
トークイベント    10月20日(日)
           18:00〜20:00

会場

TSCA Kashiwa
千葉県柏市若葉町3-3 TSCA

入場料

無料

問合せ

Takuro Someya Contemporary Art
tel: 050-3561-5770(TSCA Kashiwa)
mail: gallery[at]tsca.jp
web: http://tsca.jp

Ⓒ Yusuke Asai, Courtesy of Artist and ARATANIURANO

Ⓒ Goro Murayama, Courtesy of Artist and AISHO MIURA ARTS

ⒸŌyama Enrico Isamu Letter, Courtesy of Artist and Takuro Someya Contemporary Art

プロフィール

淺井裕介(あさい ゆうすけ)

1981年、東京生まれ。絵描き。テープ、ペン、土、埃、葉っぱ、道路用白線素材など身の回りの素材を用いて、キャンバスに限らず角砂糖の包み紙や紙ナプキンへのドローイング、泥や白線を使った巨大な壁画や地上絵のシリーズまで、あらゆる場所と共に奔放に絵画を制作する。

大山エンリコイサム(おおやま えんりこ いさむ)

1983年、東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、東京芸術大学大学院修了。グラフィティの視覚言語から抽出された「クイックターン・ストラクチャー(Quick Turn Structure)」というモチーフを軸に、ペインティングやインスタレーション、壁画などの作品を発表する。また現代美術とストリートアートを横断する視点から、執筆活動も並行して行なう。2011年秋のパリ・コレクションではCOMME des GARÇONSにアートワークを提供するなど積極的に活動の幅を広げている。現在ニューヨーク在住。

村山悟郎(むらやま ごろう)

1983年、東京生まれ。美術家。自己組織的に生成するプロセスやパターンを、絵画やドローイングをとおして表現している。2011年チェルシーカレッジMAファインアートコース(交換留学)、2012年東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。現在、同大学院後期博士課程に在籍。